ファビオ・マストランジェロはバーリで生まれ、ピッチンニ国立音楽院で父とピエルルイジ・カミーシアの下でピアノを学んだ。ジュネーブ音楽学校と英国王立音楽院ではマリア・ティーポの下で研鑽を積み、アルド・チッコリーニとパウル・バドゥーラ・スコダと一緒に一流の音楽家指導による上級クラスを受け、オージモ(1980)とローマ(1986)のピアノコンクールでは1位を受賞した。
バーリのテアトロ・ペトルッツェッリに誘われ、彼は声楽の教師として働いた。指揮者のドナート・レンゼッティやエヴェリーノ・ピド、歌手のカティア・リッチアレッリやピエロ・カップッチッリ等と共演したマストランジェロはペスカーラとトロント大学でギルベルト・セレンベの下で研鑽を積む事にした。そしてネーメ・ヤルヴィとヨルマ・パヌラのマスタークラスも受けた。
更に、ウィーンではレナード・バーンスタインやカール・オーストリアと、ミシガン州のアン・アーバーではグスタフ・マイアーの下で指揮を学んだ。そして1996年にマストランジェロは、現在音楽監督を務める室内管弦楽団「Virtuosi di Toronto」をトロント交響楽団の団員数名と設立した。
その上、マストランジェロは9年間トロント大学のハート・ハウス・オーケストラで指揮者を務めたことがあり、他には国立芸術センターオーケストラ(オタワ National Arts Centre Orchestra)、マニトバ室内管弦楽団(1999年にはイタリアのツアー)、ウィニペグ交響楽団とバンクーバー・オペラ・オーケストラ等、様々なカナダのオーケストラや楽団で指揮を行ってきた。カナダ以外では、セゲド交響楽団(ハンガリー)、バーリ交響楽団(イタリア)、ローマ・フィルハーモニカ管弦楽団、ペスカーラ交響楽団(イタリア)とサンクトペテルブルグ・クラシカ交響楽団(ロシア)で指揮者を務めた。
2001年にマストランジェロはサンクトペテルブルグ交響楽団とのデビューを果たし、定期的に公演を行っている。引き続き、ナクソス発売のエリザベッタ・ブルーザのオーケストラ作品のCDを、ウクライナ国立交響楽団と共演し、収録した。その他、ロシアのチェリスト、セルゲイ・スロヴァチェフスキーと定期的に公演を行い、日本の「音楽の友」よりCDを2枚収録した。
マストランジェロのオペラ・デビューはサンクトペテルブルグにある、ムソルグスキー記念国立サンクトペテルブルグオペラバレエ劇場での「ラ・トラビアータ」の演出であり、それをきっかけとして、同シーズンにヴェルディの「レクイエム」を制作に関わる依頼を受け、その後も定期的に依頼があった。2002年にサンクトペテルブルグ交響楽団とコーカサス交響楽団(キスロヴォツク)とのデビューを果たし、コーカサス交響楽団では首席客員指揮者として招かれた。今シーズンまでの注目すべき活動は、サンクトペテルブルグ交響楽団、バーリ交響楽団、国立エルミタージュオーケストラ(サンクトペテルブルグ)、パレルモ交響楽団とナポリ交響楽団で客員指揮者としての復帰を果たしたことである。
サンクトペテルブルグ交響楽団とはイタリアツアーも成功させた。最近では、新たに設立された国立交響楽団の2つの加盟オーケストラのメンバーを含むサンクトペテルブルグ・フェスティバル・オーケストラの首席客員指揮者として活躍している。そして、現在はバーリ・コンサートソサエティ・オーケストラの音楽監督も務めている。
今後の活動としては「エフゲニー・オネーギン」、「アッティラ」、「声−La voix humaine」、「ジャンニ・スキッキ」の作品の公演をバーリで予定している。