
西本智実が、今、日本でもっとも注目される指揮者のひとりであることは間違いない。国内外の名だたるオーケストラを指揮し、どのコンサート会場も満員にする手腕は並大抵のものではないが、西本の最大の功績は、これまでクラシックに見向きもしなかった人々をクラシックファンにしてしまったことである。その演奏を聴いた人たちは、みな、「西本さんの心が伝わってくる」というが、西本が、こむずかしい理屈を越えて、音楽の本質をダイレクトに伝えることのできる指揮者であることを物語っている。
そんな西本智実が2010年の幕開けに行う全国ツアーは、80年以上の歴史を誇る東欧の名門オーケストラ、ラトビア国立交響楽団と行われる。ラトビア国立交響楽団は、バルト3国のひとつラトビアの首都リガ(リヒャルト・ワーグナーが劇場指揮者を務めていたことでも有名)を本拠地とするオーケストラで、創設は1926年。創設当時はわずか14名の団員しかいなかったというが、現在では100名の団員を数え、年間60本あまりの公演を精力的に行う。2003年にラトビア出身のチェリスト、ミッシャ・マイスキーと行った来日公演は記憶に新しい。
ロシアをそのキャリアの出発点に選んだ西本智実の音楽が、東欧のオーケストラとすこぶる相性がいいことは当然といえるが、こうした、日本ではそれほど知られていなかったオーケストラの音色を積極的に紹介してきたのも、彼女の功績のひとつ。今回のラトビア響からも、きっと伝統的な東欧の響きの世界を引き出してくれるに違いない。プログラムの聴きどころは、チャイコフスキーの交響曲第4番とブラームスの交響曲第4番という2つのシンフォニー。チャイコフスキーの第4番は「運命と戦いそれに勝利する」というプログラムをもち、濃密でドラマティックな音楽が展開していく。一方、ブラームスの第4番は、音楽の本質的な「美」が人の心の奥底をゆさぶる作品。西本のダイナミックで起伏に富んだ指揮棒から、どのような表現が紡ぎ出されるのか、とても楽しみだ。
また、今回は、ロシア出身のヴァイオリニスト、サーシャ・ロジェストヴェンスキーと、韓国系カナダ人ピアニスト、ウォニー・ソンとの共演も予定。それぞれ、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番という、これもまたロマンティシズムに溢れた作品が披露される。西本智実が若手ソリストたちをどのようにリードしていくのかもみどころのひとつといえるだろう。
室田尚子(音楽評論家)
| 2010年1月19日(火) 19:00 | サントリーホール 大ホール(東京) |
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| 2010年1月20日(水) 19:00 | 秋田県民会館 | |
| 2010年1月21日(木) 19:00 | 福島県文化センター 大ホール | |
| 2010年1月22日(金) 19:00 | 群馬音楽センター | |
| 2010年1月23日(土) 14:00 | 京都コンサートホール 大ホール | |
| 2010年1月24日(日) 14:00 | サンポートホール高松 大ホール(香川) ※サンポートホール高松友の会会員様へは ホールからもご案内がございます。 |
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| 2010年1月26日(火) 19:00 | 広島厚生年金会館 |
| 2010年1月27日(水) 19:00 | 岡山シンフォニーホール 大ホール ※友の会会員様へは ホールからもご案内がございます。 |
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| 2010年1月28日(木) 19:00 | ひめぎんホール(愛媛県県民文化会館) メインホール | |
| 2010年1月29日(金) 19:00 | ザ・シンフォニーホール(大阪) | |
| 2010年1月30日(土) 13:30 | 愛知県芸術劇場 コンサートホール | |
| 2010年1月31日(日) 14:00 | 東京オペラシティ コンサートホール |