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| スペイン国立バレエ団が帰ってくる! 1987年以来、ほぼ2年ごとに来日公演を行い、日本にも熱心なファンを数多くもつ、あのスペインを代表する舞踊団が今また、日本へやってくるのだ。 それもあの代表作「ボレロ」から新作まで、すばらしいフラメンコの名作ばかりを取り揃えて。1978年にスペイン文化省により設立されたこのバレエ団は、クラシックバレエではなく、スペイン舞踊を専門とするのが特徴だ。ガウディやピカソを引き合いにだすまでもなく、スペインは多彩な文化をみせる芸術の国だ。日本でもよく知られたフラメンコのほかにも、クラシック音楽で踊るクラシコ・エスパニョール、ロマンチック・バレエとも関係の深いエスクエラ・ボレーラ、スペイン各地の特色ある民族舞踊…。 このバレエ団で鍛えられたダンサーには、ホアキン・コルテスをはじめ、世界を舞台に活躍するダンサーを多数輩出している、いわばスペイン舞踊のエリート養成所なのである。今回の来日公演のプログラムの中心はフラメンコだ。スペイン南部アンダルシアで生まれ、世界中で愛されているこのユニバーサルな芸術、フラメンコは日本にも多くのファンをもつ。ホセ・アントニオ芸術監督のもと、スペインのたぎる情熱を、伝統と革新のみごとな調和を、わたしたちにかいまみせてくれるのだ。 とくに見逃せないのはスペイン国立バレエ団の代表作である「ボレロ」だろう。おなじみのラベルの名曲を、現代的な感覚でダイナミックに振り付けたこの作品は、これまでの日本公演でも多くの人々を魅了してきた。フラメンコやスペイン舞踊ファンだけではない。舞踊ファンも、そうでない人も、この作品をみれば、たちまち国立バレエのファンになってしまうことだろう。大きな感動を世界中に与えたこの作品のほかにも、彼らのフラメンコの代表作といえる、三作品が上演される。 カーネギーホールやハリウッドを興奮させた、伝説のフラメンコ舞踊家カルメン・アマジャへのオマージュを、美しいフラメンコ曲でつづっていく「ラ・レジェンダ」。バタ・デ・コーラとよばれる裳裾を長くひきずったフラメンコの代表的な衣装や、男装の女性がカルメンを彷彿とさせる、また国立ならではのよく統制のとれた群舞もすばらしい。スペインではホアキン・コルテスと人気を争うフラメンコ舞踊家で、やはり国立バレエ団出身のアントニオ・カナーレスが振付けした熱いフラメンコ、「グリート」。そして、今回が日本初演となる、「ゴルペス・ダ・ラ・ヴィダ」も楽しみだ。このホセ・アントニオ監督の振付け作品は、若者と、老いにさしかかった男、二人の男性ダンサーの出会いと別れを通して人生そのものを描く意欲作だ。フラメンコのあふれる情熱と躍動するスペインの力。芸術の国、スペインならではのアーティスティックなフラメンコ・バレエを見逃してはならない。必ずフラメンコ舞踊の現在を堪能させてくれるはずだから。 解説文:志風恭子(舞踊研究家) |