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芸術監督 ホセ・アントニオ Q.前回の日本ツアーでは「ラ・レジェンダ」で強い印象を残しました。この作品では何を表現しようとしているのですか? 『レジェンダ』も、私の振付家、創作家としての作品の一つで、特に思い入れの深い作品です。 『レジェンダ』は、フラメンコの伝説と言われるカルメン・アマジャに捧げるべきもので、私個人のカルメン・アマジャへのトリビュートです。この作品を創り上げるまでには色々な苦労がありました。というのも、自分の中に常にアイデアはあったのですが、カルメン・アマジャという人物を描くというのは、それだけで責任の重い仕事であり、この伝説を具体的にどのような振付けで、どのように表現すればよいのかを明確にイメージできるまで、着手することができなかったからです。 実際には、私が子供の頃から見て来たカルメン・アマジャのイメージ、映画の中にみた彼女の印象をできるだけ忠実に再現しようと考え、最終的にカルメン・アマジャの中にある二つの人物像を具体化することにしました。ひとつは、女性としての身近に感じられるカルメン。もうひとつは、不死身で、伝説となり、触れることさえはばかられる芸術家としてのカルメン。難しかったのは、いったいどのように振りつけたら、この作品を見る観客に、この二つの人物像を、二人の別の人間としてではなく、二つの側面をもつ立体的で幅の広い一人の人間として認識してもらえるか、という点です。 この作品には、映画のようにストーリーがあるという訳ではありません。純粋で簡潔な「カルメン・アマジャ」のイメージを具現化したものです。私の創造した筋書きとアイデアに、ホセ・アントニオ・ロドリゲスが、素晴しい音楽を作曲してくれました。 カルメン・アマジャは、激しくも非常に短い人生を送りました。『レジェンダ』の見所の一つは裾のとても長い、白のバタ・デ・コラの衣装ですが、ここに、カルメンの類い稀で、いつまでも廃ることのない芸術性と、カルメンを愛してやまない人々の感情を表現しているのです。 『レジェンダ』は間違いなく、私の振付家としての人生を象徴する作品の一つであり、同時に私個人としての感情を最大限に表現している作品なのです。 プリンシパルダンサー エレナ・アルガド(ラ・レジェンダ主演) Q.またカルメン・アマジャという大役を踊る際、どういうお気持ちでしょうか。 大役を担うことにプレッシャーは感じますか。 ラ・レジェンダは、私にとって非常に思い入れの深い作品です。2002年にまだ24歳の時にこの作品を初演しました。当時まだ若かったですし、この大役が務まるかどうかという不安と恐怖、同時にこんな素晴しいチャンスを手に入れられたことが嬉しくて、色んな感情の混ざった複雑な気持ちでした。 あれから数年が経ち、私自身が年齢を重ねるに連れて、私の踊りにも変化があると思います。それは何かと言われると言葉ではうまく表現できませんが、昔は舞台の幕が上がると、ちゃんと振付けを覚えているかどうか、ちゃんと踊れるかどうかという、初歩的な不安がいつもありましたが、それが今ではなくなりましたね。 カルメン・アマジャというのは、私たちダンサーにとって間違いなく偉大な存在です。天才で、全てのものを持っていた、神様と呼ぶべき存在です。 カルメン・アマジャの役を踊ることでのプレッシャーは感じません。もともとカルメン・アマジャを「真似する」ことが不可能なんですから(笑)。だから、カルメン・アマジャになろうというつもりで踊っているのではありません。プレッシャーというよりもこの役を踊れることに誇りを感じています。 プリンシパル・ダンサー アナ・モヤ (ラ・レジェンダ主演) Q.ラ・レジェンダで、どういう見方をおすすめしますか? 注目してほしいシーンを選ぶのは実に難しいですね。というのもこの作品は、初めから終わりまでが常に感情的で、言ってみれば全てが見所みたいな壮大な作品だからです。本当ですよ。それぞれの演目の中にそれぞれの良さが凝縮されている。エレナとペアで踊る時に一番インスピレーションを感じます。自分自身に限って言えば、彼女との絡みのシーンが一番踊りごたえがあって、一番楽しめる瞬間です。これも、私自身に限って言えることなんですが、ひとつだけ演目を挙げてほしいと言われたら、「アレグリアス」です。力強さと柔らかさを兼ね備えている踊りです。そこには是非注目してほしいですね。
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